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高エネルギー放射線治療

放射線治療で使われる放射線の種類

大阪厚生年金病院ではリニアック(直線加速装置)によって発生させる、高エネルギーX線または電子線で治療をおこないます。

放射線ががんを死滅させることができる理由

放射線は、細胞のDNAに直接作用して細胞が分裂して数を増加させる能力をなくしたり、細胞が自ら死んでいく過程であるアポトーシスという現象を増強したりして細胞を死に至らしめます。
放射線はがん細胞だけでなく正常細胞にも同じ作用をしますが、正常細胞はがん細胞よりは障害の程度が軽く、放射線照射前の状態に回復することがほとんどです。

放射線治療は以下のような手順で行われます

(1) 放射線治療をがんの治療として決めるまでには

専門医である放射線治療医とよく相談して実際に治療をするかどうかを決めることが大切です。放射線治療医は診察し、これまでの画像検査、血液検査などをよく検討し、これらに基づき放射線治療を施行する意義について、治療を受ける方およびご家族とよく相談します。放射線治療を施行するとしたらその目的は何か、治癒を目指すのか、がんによって生じている症状を和らげることなのか。治療によってどのような副作用がおこりうるのか。放射線以外の治療法にはどのようなものがあるのか。治療を受ける方は放射線治療のメリットとデメリットを納得するまで、放射線治療医に聞き、治療をするのか、しないのかを決めるのがよいと思います。

(2)治療計画

放射線をどの方向から、どのくらいの量を何回に分けて治療するのかという治療計画をします。シミュレーターと呼ばれるX線透視装置やCTを使って治療部位を決め、がんに十分な放射線量が照射され、がんの周囲の正常組織にあまり照射されないように放射線照射の方向を検討します。一方向からの治療のこともあれば、いくつもの方向から照射する場合もあります。当院ではCTで得られた画像を用い、3次元治療計画装置で照射方法を決めます。立体的に放射線量の分布が把握できますので、最もよい照射方法を決めることができます。

(3) 照射位置のマ-キング

照射方法が決まると、皮膚表面に油性マジックや特殊シールによってマ-キングをします。治療終了時まで決して消したり、はがしたりしないようにしてください。

(4) 放射線の照射

毎日の治療は、体表面に描かれたマ-キングをもとに放射線治療技師により行われます。治療に要する時間は、治療室に入ってから出てくるまで5~10分程度で、実際に放射線が照射されている時間は1分程度です。また治療している場所にはシップ、バンドエイドなどを貼らないでください。

(5) 治療の期間

月~金曜日までの週5日で、何週かにわたって治療します。どのくらいの回数を治療するかは、治療の目的、全身状態などにより異なりますが、10~35回程度です。

(6) 通院での治療

通院で治療できることが多く、入院して治療するのは手術直後であったり、抗がん剤治療をあわせて行っていたりする場合で、放射線の副作用のために入院しなければならない方は少数です。今までどおり仕事を続けながら、治療をしている方もおられます。

副作用

がんに対する他の治療と同様に放射線治療にも副作用があります。デメリットである副作用よりも、治療によって得られる効果のほうが大きいと、治療を受ける方本人や担当医が考えた場合にのみ、治療が実施されます。
疲れる、食欲がなくなるといった全身の症状が出ることもありますが、放射線治療の主な副作用は治療される部位におこってきます。副作用が出てくる時期は、放射線治療中または終了直後のもの(急性期)と、終了してから半年から数年たった後からのもの(晩期)があります。

急性期の副作用

・疲れやすい
・食欲がなくなる
・貧血、白血球減少、血小板減少
・皮膚の変化

晩期の副作用

重篤な晩期の副作用はごく少数の人にしかあらわれません。
晩期の副作用は、放射線量、放射線を照射する部位の大きさなどで発生頻度が推定できますので、細心の注意をはらって治療計画を行い、治療を開始しています。
しかし、副作用の種類によっては副作用が発生しはじめる放射線量と、がんが治る放射線量は非常に近接している場合があることや、個人差が大きいことなどにより、副作用が絶対おこらないということを断言はできません。
副作用が発生した場合は重篤にならないよう努力いたします。

放射線治療が終わった後にも診察が必要

治療が終わった後は治療効果をみるためや、後から出てくるかもしれない副作用に対応するために定期的に診察します。

放射線治療にかかわっているスタッフ

放射線治療を実際に行っていくには、いろいろな職種のスタッフのかかわりが必要です。
例えば、大阪厚生年金病院では、放射線治療医、放射線技師、病棟看護師、外来看護師が協力して治療を行っています。放射線治療医は放射線治療の方針決定、治療計画、治療中、治療終了後の診察などを行います。
放射線技師は、最適な照射方法、線量分布などを担当医とともに決め、決定された治療部位へ放射線を照射します。
治療機器の保守管理なども行っています。病棟および外来看護師は治療開始時に治療についてのオリエンテーションをしたり、治療期間中の副作用への対応などについてかかわります。
また診察日以外の医師診察を希望した場合などの窓口となります。

放射線治療を安全で正確に行う体制

計画したとおりに実際に治療が行われているのかをチェックすることは、放射線治療が安全で正確に行われるために非常に大事なことです。
治療部位がきちんと計画どおり治療されているかどうかの確認は、治療開始前に治療機器で写真を撮影しておこないます。指示どおりの放射線量が照射されているかどうかは、定期的に治療機器を測定して確認しています。
安全で正確に治療ができる体制がきちんとできていますので、安心して放射線治療を受けることができます。

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