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人工股関節クリニック

診察日

■ 中田活也:
水曜日AM/PM(再診)、木曜日PM(専門)、金曜日AM(初診)

■ 山村在慶:
水曜日AM/PM(再診)、木曜日AM(初診)、木曜日PM(専門)

担当医の紹介

中田活也
略歴:
1989年大阪大学医学部医学科卒業
1997年大阪大学医学研究科博士課程卒業
大阪大学医学部附属病院、吹田市民病院、国立大阪病院、大阪大学、市立川西病院、関西労災病院、市立豊中病院を経て、2008年から大阪厚生年金病院
資格:
医学博士(大阪大学)、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会スポーツ認定医、日本リウマチ学会専門医
専門:
股関節外科・膝関節外科・人工関節外科・低侵襲手術(MIS)
山村在慶
略歴:
1998年大阪大学医学部医学科卒業
大阪大学医学部附属病院、住友病院、大阪府立病院、協和会病院を経て、2007年から大阪厚生年金病院
資格:
医学博士(大阪大学)、日本整形外科学会専門医
専門:
股関節外科・人工関節外科・コンピューター支援手術

手術実績

(2007年1月~12月) 407件

  • 人工股関節置換術:201例
  • 人工股関節再置換術:13例
  • 人工骨頭置換術:18例
  • 骨接合術:7例
  • 人工膝関節置換術:168例
  • HAの場合、感染率<1%、術後脱臼率<1%と合併症は極めて少ないという実績です。

対象疾患

  • 変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチ、急速破壊型股関節症、変形性膝関節症、大腿骨頚部骨折などの股関節・膝関節の変形・破壊により関節の痛みや歩行困難をきたす疾患
  • その他診断に難渋する股関節・膝関節疾患の精査

治療方針

  • 人工股関節手術(THA)・人工膝関節手術(TKA)だけでなく、関節温存手術(自分の骨を骨切りして関節の噛み合わせを治す手術)も施行しています。
  • 関節面には低磨耗素材(耐磨耗ポリエチレン・セラミック・金属)を有する長期耐久性が期待できるチタン合金・コバルトクロム合金製の人工関節を使用しています。
  • THAではリハビリを含めて術後約3週間で退院可能で、リハビリ通院もほとんどの場合で不要です。THA術後は自転車・正座・軽いスポーツなども特別な場合を除いて制限していません。
  • 早期社会復帰のために筋肉を傷めずに人工関節を入れる技術を導入しています。(低侵襲性人工股関節手術:MIS-THA)
  • CTデータを解析し患者さんの骨の形状にマッチした最適の人工関節を選択します。(人工股関節三次元術前計画システム)
  • 日本人の骨の形状に合った人工股関節、骨を多く削らずにすむ短い人工股関節なども症例に応じて使用しています。

先進医療関連

(1) 早期社会復帰には迅速な筋力回復を可能とする手術方法(筋肉切離型・筋肉非切離型MIS-THA)が必要です。

(2) より安全で正確なTHAを施行するには、立体的に股関節を評価しインプラントの種類とサイズを術前に選択できるTHA三次元術前計画システムが不可欠です。本システムは一般医療機関ではほとんど導入されていません。

(1)低侵襲人工股関節置換術(MIS-THA)

従来は人工股関節手術(THA)には20~25cmの皮膚切開が必要でした。さらに筋肉の切開範囲も大きくなり、股関節の周囲組織(筋肉・靱帯や関節包など)も取り除かれてしまうため、手術侵襲(体への負担)が大きくなっていました。つまり、切開部位や切除部分が大きいため術後の痛みも増え、筋力低下や筋力回復の遅れなどが目立ち、杖がなかなか外せない、社会復帰に時間がかかることがしばしばでした。
近年、人工股関節や使用器具の進歩により低侵襲技術(MIS)でTHAが可能となっています。もちろん内視鏡・腹腔鏡・関節鏡のように1~3cmの非常に小さい皮膚切開で人工股関節を挿入することは困難ですが、8~10cmの小さい皮膚切開で人工股関節を挿入することが可能となっています。この手術は皮膚や筋肉の切る範囲を少なくすることで手術侵襲(体への負担)を少なくし早期に社会復帰ができる“体に優しい低侵襲人工股関節手術(MIS-THA)”と呼ばれています。
1998年、アメリカの整形外科医から発表されたMIS-THAは現在全世界に急速に拡がっています。2002年末頃、本邦でもMIS-THAが施行されるようになりました。しかしながら、MIS-THAは手術の視野が制限されるため技術的難度が高く、未だ数少ない施設でのみ行なわれているのが現状です。
MIS-THAが提唱された当初、小さい皮膚切開により人工股関節を適切な角度に挿入することは困難であり、“曲芸的な離れ業”あると考えられていました。しかし現在では、技術の進歩と術者の熟達によりMIS-THAの経験が豊かな外科医にとっては“曲芸的な離れ業”ではなくなりました。つまり熟達した関節外科医であれば短い手術時間で適切な角度に人工股関節を挿入することが可能となっています。
2000年以降、MIS-THAの成績は多く報告されてきました。本手術の効果、安全性、信頼性、早期社会復帰に関する良好な成績の報告も多数見られています。
現在、MIS-THAの成績をさらに向上させるため、股関節に到達する方法(進入法)も様々なものが提唱されています。
当初は従来法と同じく筋肉を切り離して股関節に到達する進入法(筋肉切離型)でした。しかし、2004年、筋肉を切り離さずに股関節に到達する筋肉を温存できる進入法(筋肉非切離型・筋温存型)が発表されました。
このようにMIS-THAは、小さい皮膚切開の技術から筋肉を切り離さない技術へと進歩してきています。

当院におけるMIS-THAの特徴

筋肉切離型MIS-THAの特徴
1)8-10cmの小さな皮膚・筋肉切開で後方より股関節に進入して手術を行ないます。
2)人工股関節挿入後、筋力の早期回復のために切離した関節包と筋肉を一塊として、それらの組織が本来付着していた大転子という骨に強固に縫着します。

筋非切離型(筋温存型)MIS-THAの特徴
1)8-10cmの小さな皮膚・筋肉切開で前方より股関節に進入して筋付着部を切離せずに筋間を分けて股関節に到達して手術を行います。
2)新たに開発した手術器具により筋腹を損傷しないようにして人工股関節を挿入します。
3)人工股関節挿入後、進入の際に分けた筋膜を縫合して終了します。
我々は、2003年初めに全国でも極めて早く筋切離型MIS-THAを導入しました。MIS-THA専用手術器具の開発・三次元人工股関節術前計画の併用・筋温存(非切離)型MIS-THAの導入などによりMIS-THAの向上に努めてきました。その結果現在では、本邦のMIS-THAを第一線で牽引するようになっています。
現在まで400例以上のMIS-THAを施行してきました。すべての患者さんが大きな合併症もなく順調に回復され、入院期間は約3週間前後で早期に社会復帰されています。MIS-THAの手術成績は日本整形外科学会、日本股関節学会、日本人工関節学会などに発表しています。

(2)人工股関節三次元術前計画システム

当股関節外科では術前にCTの3次元(立体的)データ-を解析し、術前の股関節の形態をコンピューター上で立体的に再現し解剖学的に評価した上で、人工股関節の立体的データと骨のデータをコンピューター上で重ね合わせるシステムを導入しています。
それにより患者さんに最適な人工股関節の種類とサイズを術前に決定できます。その結果、手術の進行を想定しやすくなり術中・術後の合併症(人工関節の設置角度不良、術中骨折、術後脱臼など)を最小限にすることができます。(他の施設ではトレーシングペーパーに2次元(平面的)に作図して人工股関節の術前計画を立てているのが現状です)
このシステムを当院のMIS-THAに組み合わせることで、患者さんのニーズにより的確にお答えできるTHAが可能と考えています。
近い将来、本術前計画システムを用いた人工股関節手術ナビゲーション(コンピューター支援手術)を導入する予定です。

関連業績

  1. 中田活也ほか:後方進入法による低侵襲人工股関節置換術の有用性(関節外科,2007)
  2. 中田活也ほか:筋温存型低侵襲人工股関節置換術の有効性(Hip Joint, 2007)
  3. 中田活也ほか:骨温存型低侵襲人工股関節置換術の治療経験(日本リウマチ・関節外科学会雑誌, 2007)
  4. 中田活也ほか:前方進入法による低侵襲人工股関節置換術の利点と課題(日本人工関節学会誌, 2007)
  5. 中田活也ほか:前方進入法による低侵襲人工股関節置換術での機能回復への影響因子(整形外科, 2007)
  6. Nakata K. et al.: A clinical comparative study of the direct anterior with mini-posterior approach. -Two consecutive series- (J Arthroplasty,2008)
  7. Yamamura M. et al.: Open-configuration MRI study of femoro-acetabular impingement. (Journal of Orthopaedic Research, 2007)
図1 筋切離型MIS-THA 図2 筋温存型MIS-THA 図3 三次元術前計画システム

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